神様修行はじめます! 其の四


中はまるでモグラの巣穴のように、四方に通路が枝分かれしている。


天井裏が巨大迷路になってるんだ。


どこをどんな風に進んでいるのか、あたしにはまったく見当もつかない。


でもお岩さんは、慣れた様子でスイスイ進んでいく。



「懐かしいですわぁ。子どもの頃、ここでセバスチャンとよく遊んだものですわ」


「こんな場所が、子どもの遊び場なの?」


「当主の家に生まれた子は、この道順を覚える必要がありますもの」



そんな会話をしているうちに、広い空間にたどり着いた。


細い光の筋が数本、天井板からあちこち柱のように立っている。


下の部屋の灯りが漏れているんだ。


闇に慣れた目には、おかげでずいぶん周囲が明るく見えた。



「しー・・・静かに。着きましたわ」


お岩さんが人さし指を唇に当て、小声でささやく。


「あの穴から下が覗けますの。音も聞こえますわよ」



あたしと浄火は無言でうなづいた。


向こうの音が聞こえるってことは、こっちの音も聞こえるだろう。


気付かれないように注意しないと。



音をたてないように静かに穴に近づき、そっと下の様子を覗き込む。


小さな穴なのに、意外なほど広い範囲が見渡せた。


なんか、特殊なレンズでもはめ込んでいるのかな・・・。



見える範囲には、三人の男の姿。


ひとりはセバスチャンさん。その向かい側に、ふたり。


見知らぬ年寄りの男と、その隣に、セバスチャンさんと同じくらいの年の男が座っていた。