「知らねえ。偉い長老さまの神通力だろ?」
「んなバカな。そんな都合のいい神通力があるわけないじゃん」
「信子ババも、オレが何の力を持ってるのかまでは、分からなかったみたいだけどな」
「そうなの?」
「ああ。滅火の力だと知って驚いてた。『なんと、これは好都合だ』って喜んでたぜ」
好都合・・・・・・?
話しを聞くうちに、胸の中で疑惑がモクモク湧きあがってきた。
なんなんだろう。すごく、うさんくさい。
いや、浄火の力に関しては、確かに本物なんだ。
こいつが滅火の力の持ち主であることは、間違いなく保証できるんだけど。
でも、どーも、なにか、これって裏がある。
ただ単純に、奇跡的に常世島に能力者が生まれたって美談では、なさそうな気がする。
浄火の能力の発現に、因業ババがなんらかの形で関わっている・・・?
「どうにもまた、厄介なことになりそうですわね」
考え込んでいるお岩さんに、浄火が不安そうな声で尋ねる。
「なんだよ、厄介なことって。問題の種はゴメンだぜ」
「その種本人が、なに言ってますのよ」
「オレは島の希望の星なんだ。何の希望もない島に、やっとで光が見えてきたってのに」
真剣そのものの表情で、浄火は訴える。
「オレは島と、島民の境遇の改善をして欲しいだけだ。そのために、島を出て信子ババについて来たんだ」


