ただ恋愛を、間違えただけ。




一つ一つ、一定のテンポで時計の針が進んでいく。

そのたび心臓の音が大きくなって、

速くなるのは気のせいだろうか。


こんなに緊張するなんてバカみたいだ。

………あたしたちのこの時期は、そんなことを考える時間なんてないのに。


授業中、香月を見つめる。

いくら見つめたところできっと気づかない。


きっと……そんな程度……。


………でもまぁ、授業中だし気づかない…か。


あたしはまた、ノートに目を移した。





……後、少し。