――このまま3階に行き着かなかったりして……。 『このまま出口に辿り着けない』 そんな妄想に駆られた。 狭い階段の踊り場。 1メートルほどの高さのコンクリートの腰壁の上に付けられた、小さな引き違い窓。 そこから見える、山あいの田舎町ののどかな風景だけが、そのアングルを変えていく。 それだけが、唯一の変化。 日常の目印。 その目印が無くなったとき、 そこはもう、別の世界――。 なんてね。 ホラー小説の読み過ぎだ、私。