ぎぃいいぃっ……。 扉自体は年季が入っているためか、蝶番が鈍いきしみ音を上げて開く。 妙に薄暗い半畳程の広さの玄関が、私の目前に広がっている。 ワックスなど掛けた事がないのかと思うほど、ツヤのない床板。 所々、壁紙が剥げて下地の板が見える、黄ばんだ壁。 うわっ、外見だけじゃなくて中身も古っ。 玄関を上がってすぐ目の前に、これだけは妙に新しい木製のドアがある。 私は、急いで靴を脱いで上がると、そのドアを勢いよく開けた。