はじまりのアリス



「ピンポーン!裏切りものは私!4回目の潤はここで私に殺された」

「なんで……」

喉が詰まってうまく声が出ない。


「んーなんでって、お前なんだか怪しいって詰め寄られて口論になっちゃってさ。このスタンガンでつい」

「……っ」

「ああ、大丈夫だよ。今回の潤は殺さない。だってめちゃくちゃ怒られたんだから。本物のアリスにね?」


情報が多すぎて理解が追いつかない。

俺はぐっと日野沢の手を再び掴んでそのまま壁に押しつけた。


「知ってることを全部教えろ……っ!」


このゲームが繰り返されてる?

これで6回目だと?

日野沢は俺をあざ笑うように口元をゆるませた。


「いいよ。潤にはちゃんと次のステージに進んでもらわないとつまらないから」


そう言った日野沢の手首には無数の傷痕。

細いものから太いものまで様々で、どう見てもリストカットの痕だった。


日野沢……お前は……。