はじまりのアリス



日野沢はスタンガンをポケットに閉まって、そのままクルクルと回る椅子へと座った。


「遊んでる場合じゃねーんだよ。早くふたりのところに行くぞ!」

こんなことをしてる間にふたりが襲われたら……。

考えただけでゾッとした。


「はは、慌てなくても平気平気。残りのオモチャはきっと諏訪野が倒してると思うから」

「……なんでそんなこと分かるんだよ?」

「さて、なんででしょう?」

「っ」

ガンッ!

俺は日野沢の肩を押して、座っていた椅子は勢いよく後ろのテーブルの角(かど)で止まった。


「お前、なにか知ってるだろ?」

ずっと胸にあったモヤモヤ感。


日野沢は最初から冷静で慌てたり焦ったりもしなくて。

まるでこのゲームを熟知してるみたいに。


「知ってるってなにが?」

日野沢がニヤニヤとしながら俺を見つめていた。


「なんで俺が図書室で4人倒したことを知ってた?」

逃がさないように今度は俺が日野沢を押さえつける。


「痛いなあ。そんなに強く掴まなくても逃げないよ」

「いいから答えろ!」