「どこから探す?潤はどこでフードを被った人を見たの?」
俺たちはまだ渡り廊下を渡った先で止まったまま。
美織の言葉に俺は美術室のほうを指さした。
「正確には分からないけど、多分あっちの廊下の窓」
じっと動かずに見つめていた目。
深いフードが影になっていて人相までは見えなかったけど、きっとアレは模型でも人形でもなかった。
もし、本当に有栖川華子だったとしたら……。
離れた場所から監視して、アリスに指示をしていた可能性は十分に考えられる。
「おい、なんか聞こえない?」
正人が懐中電灯で暗闇の廊下を照らした。
……なにか?水の音じゃなくて?
耳をすますとカラン、カランっと金属のような音。
懐中電灯がゆっくりと廊下の奥を明るくすると、そこにはぼーっと立っている人影。
一瞬、諏訪野かなって思ったけど……。
アイツは鉄パイプなんて持ってなかった。
うつ向いていた顔が静かにこっちを見た。
目が合った。
ヤバい、と思った時には出遅れていて……。
そいつはオモチャとは思えないほどの全速力で俺たちに向かって走ってきた。
「み、みんな走れ!!」



