「わ、私は嫌よ。もうクラスメイトたちに襲われるのも耐えられないし、あんな酷いみんなを見るのも嫌っ!」

渡辺はそう言って自分の席に座った。


「行きたくないヤツはここにいればいい。だけど俺は有栖川を探しに行く」


廊下に出ればまた恐ろしい目に遭う。

でもいくら人形のアリスに有栖川のことを聞いても教えてくれるはずがないし放送を待つだけなら、それこそ手のひらで転がされているだけだ。


「俺も行く……!」

俺は勢いよく立ち上がった。


あの黒いフードの人物が有栖川なら、ちゃんといじめのことを謝罪して、このゲームを終わりにしてほしいと頼みたい。


そんな簡単なことじゃないって分かってるけど、それでも狂気に満ちたあの人形よりは話し合えるはずだ。


「じゃあ、私も行く」

次に立ち上がったのは日野沢。


「わ、私も!」

「え?早川さんも?じゃ……よし。お、俺も行くよ!めちゃくちゃ怖いけど」

そして美織と正人も立ち上がった。