はじまりのアリス






『お疲れさま。鬼ごっこは終了よ』

そんな放送があったのは美織となんとか2年1組にたどり着いた直前だった。


『思った以上にオモチャを壊されてビックリしたわ。でも平気よ。また新しいオモチャはすぐ手に入るから』


ふふ、と笑うアリスの声が耳に入ってこなかった。


生きている実感がないけど、俺はここにいる。

そして手には自分のものではない赤黒い血。


『またその教室は安全な場所に戻すわ。だから疲れを癒すために昼寝なんてどうかしら?あ、今は夜だから昼寝はおかしいわね』

「………」

『でも安心しちゃダメよ?まだまだ貴方たちには楽しませてもらわなくちゃ。つかの間の安息をどうぞごゆっくり』


プチッと切れたアリスの声。

教室を見渡すと、そこには7人しかいない。



「て、寺田と笹谷は……?」

そう聞くと渡辺が首を横に振った。


「残っているのは私たちだけよ」


生き残ったのは諏訪野、日野沢、正人、渡辺、
今村、美織、俺。