はじまりのアリス



本に埋もれている江口がバタバタと暴れていて、その振動で俺の背中にある棚の本も上から崩れていく。


死ぬ、死にたくない。

美織を置いて死ねない。


落ちてきた本がバサバサと雨のように降って、
俺の瞳にハラリと白い紙が。


それはひらひらと宙を舞って。

〝友達だったことは忘れろ〟

そんな文字が見えた。


バカだな。俺は。

それじゃ、大切な人を守れない、なんて正人に偉そうなことを言っておきながら。

結局俺は襲ってくるクラスメイトたちを傷つけられずにいる。


――『つまりさ、殺られる前に殺れってことでしょ?』


そうだよ。そのとおりだよ。

クラスメイト?友達?

それを忘れなければこいつらには勝てない。