はじまりのアリス



ゆっくりと顔を上げると、本棚の上からこちらを覗く顔が。


「うわあっ!」

血だらけで首の骨が折れてるのか、右に傾いたまま。


「田上……」
「……た、田上くん」

俺たちはその姿を見て後退りした。

死んでるって分かるのに、電池切れのオモチャのようにカクカクと小刻みに動いて、口元だけが笑っている。


だけど田上の両足はちゃんと紐靴を履いていて、手には何も持ってない。

まさか……。


「きゃああ」

後ろから美織の悲鳴。


振り返ると、そこには江口の姿。


江口だけじゃない。

最初の校門で死んだ久米岡、矢澤も。

洋服は破れて皮膚には無数の穴。

もうみんな生前の面影はなくて、身の毛もよだつとはまさにこのことだ。