はじまりのアリス




『皆さんこんばんは。アリスです。どう?ちゃんと楽しんでる?』

前触れもなく突然スピーカーからアリスの声。


俺は条件反射でビクッ!と肩が上がって、その声がもう一種のトラウマのようになっていた。


『残りはあと30分よ。延長したいぐらいだけど約束を後から変えるのは好きじゃないの。私の真面目な部分が出てしまったわ。きゃは』


あと30分……。

まだ30分もあるのかよ。

体感的にもう2時間は過ぎてる感じがする。


『現在の状況を教えてあげるわ。元気なオモチャは9体。6体も壊されちゃうなんて悲しいわ』

「………」

『でもね、鈴木と古澤が死んだから貴方たちも9人。なんだか面白くなりそうね。それじゃ、死なないように頑張ってね』


鈴木と古澤が死んだ……?

だけど悲しんでる場合じゃない。

生き残らなくちゃ……アイツに。

有栖川に会うまでは。