「普通の話しでもしようか。考えごとしてると時間の進みが遅いし、お喋りをしてたらきっと1時間なんてあっという間に過ぎちゃうよ」


本当は怖いのに美織は美織なりに俺の気を紛らわそうとしてくれている。


……確かにそうだな。

マイナスなことばかり考えてもいても仕方がない。


「潤はさ、1年の時図書委員だったよね?」

「ああ、みんなに強制的に押し付けられて」

「それは委員決めの時に潤が寝てたからでしょ?」

「そうだっけ?」


1年生の時も俺は美織と同じクラスで。

ぶっちゃけ入学式で見た時から俺は美織が好きだった。いわゆる一目惚れってやつだ。


「そういえば……有栖川さんも同じ図書委員だったよね?」


そう。有栖川もまた1年生の時も同じクラスだった。


有栖川は初日から膝に人形を座らせて先生の話を聞いてるような人で。

最初からみんなに気味悪がられていたっけ。