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食堂に着いた俺たちはその扉を開けた。
中に入るととてもいい匂いがして、まるで昼時のように弁当やおにぎりがテーブルに並べられていた。
食堂のおばちゃんは勿論いないし、弁当だけがキレイに置かれているからなんだか不自然にも思える。
「もしかして罠なんじゃ……」
正人はなかなか近づこうとしない。
毒入りとか?……十分ありえる。
「こんな罠を仕掛けなくても向こうは簡単に私たちなんて殺せるでしょ」
日野沢は早速、弁当のフタを開けて唐揚げをひとつ食べた。
身体に異常はない。
というか、この状況でつまみ食いできるって、
やっぱりどう考えても弱い女には見えないな。
「おにぎりだったら食べやすいし、たくさん運べそうだね!」
美織がひとつ、またひとつとおにぎりを手に取った。
俺も便乗しておにぎりを持ったけど……やっぱり食欲がないというか。
気になって、気になって、食事どころではない。



