「ああ見えて杏理は弱いからな」
「弱い?」
俺には強さの塊というか……度胸があってたくましい人にしか見えないんだけど。
「潤は早川さんしか眼中にねーからなあ」
「当たり前だろ。自慢の彼女だぞ」
「ぶはっ。確かにお前にはもったいないぐらいの人だよな」
こんな風に話してると、いつもの学校と変わらない。
肩を並べてバカな話しをして。
早くこんな長い夜が終わってほしい。
「潤。もし俺が死んでアイツに操られたら迷わずにボコボコにしていいからな」
「正人……」
「ボコボコにしてもダメだったら手足を折ってくれていい。それでも立ち上がったら首を跳ねてくれ」
頼む、という正人の目が冗談ではなく本気だったから俺はなにも言えなくなった。



