はじまりのアリス



と、その時。

隙ができたアリスの背後に人影が。

それは今村で手には透明のビン。

そのラベルには〝硫酸〟と書かれていて、どうやら劇薬棚から持ってきたようだ。

それを思いきりアリスに向かって振り上げようてしていた。


「や、やめろ……っ!」

とっさに声を出したのは俺だった。

アリスをかばおうとしたわけじゃない。だけどこんな劇薬をここで投げたら……。

今村の手からビンが離れて硫酸が外に出る。

アリスは口元を緩ませてヒョイッと簡単によけると、その硫酸は後ろにいた川島と横田のほうへ。


「ぎゃあああ」

頭から液体を被ったふたりは悲鳴を上げて、その強い酸はどんどん皮膚を溶かしていく。


「なに……するの……っヒドイよ……」

川島は直接顔にかかったせいか右半分が全て溶けていて。その顔は原形がない。