あの放送の声だ。
無邪気で子どもだけど狂気に満ちたような声。
「どこを見てるの?ここよ」
俺たちはキョロキョロと理科室を見渡して、声はするのに姿がない。
……どこだ?
どこにいる?
右、左、上、前、後ろを確認してもいない。
「てめえ!隠れてないで出てきやがれ!!」
諏訪野がイライラしていた。
突き刺すような視線は確かにある。
まさか……と思いながら、ゆっくりと目線を下に向けると……。
「見つかっちゃった」
「うわあっ」
吸い込まれそうな大きな瞳で口元だけがニタッと笑う。
あまりにビックリして俺は腰を抜かしてしまった。
だって、だって……。
「人……形?」
みんなの思考がそれを見て止まった。
「きゃははは。驚かないで。初めましてじゃないでしょう?」
そこにいたのは肩まで伸びた黒髪に白い肌。
身長は約20cm。そしてピンク色のフリルの付いたワンピースを着てペタペタと裸足で理科室を歩いている。
……まじかよ。
開いた口が塞がらない。
だけど実際にその人形はまるで生きてるかのように動いてるし喋っていた。



