はじまりのアリス



「俺が行く」

アリスの放送がプツリと切れて、真っ先に立候補したのはやっぱり諏訪野だった。


「あの野郎を人目見てぶん殴らないと気が済まねえ」

もしアリスが本当の子どもだったとしても、諏訪野なら絶対に容赦なく殴るだろう。

そのぐらい覚悟が決まってないと、隙を見せて殺られるのは俺たちだ。


「……でもアリスの条件は死んでもいい人だって。諏訪野の動機じゃ当てはまらないよ」

渡辺が冷静に考え込んでいた。


そもそも死んでもいい人なんているはずがない。

だけど迷っていたらタイムリミットの10分が過ぎてしまう。


「アリスの言うとおり役立たず、もしくは不利益になる人を選べばいいんじゃない?」

そんな中、日野沢が声を出した。


「一番役に立たない人って誰だと思う?」

「ひ、日野沢さん……そういうのやめようよ」


それは友達を失って泣き崩れていた笹谷。

すると、日野沢の表情が変わった。


「やめる?考えるのをやめたらそこでゲームオーバーだよ。まだこのゲームを理解してないんだね。それって役立たずって言うんじゃないの?」

「あ、杏理……!」

笹谷に詰め寄る日野沢を正人が止めた。