はじまりのアリス



「てめえ、コソコソと隠れやがって。俺たちが教室に戻った途端に放送とかふざけんなよこら!」

諏訪野がドスの効いた声でアリスを怒鳴った。


校内で放送ができるのはどう考えても放送室だけ。

だけどさっきは誰もいなかったし、俺たちが戻ったのを確認してまた放送室に行ったのだろうか。


『あら?私は隠れてないわ。ずっと放送室にいたもの』

ふふ、とアリスがまた笑う。


放送室いた……?

いや、そんなはずはない。

あそこには人影もなくて誰もいなかった。ちゃんと俺はこの目で確認したはず。


「嘘ついてんじゃねーぞ。だったら今すぐそこに行ってやるから待ってろ」

『野蛮な人っていつまで経っても野蛮なままなのね』

「あ?」

『また来るなら歓迎するわ。ただしとっても痛くて、とっても苦しくて、とっても醜い死に方をしてもらう。だって私、大嫌いだもの。貴方のこと。ねえ?諏訪野』

最後の声だけは突き刺すような低い声で、教室が一瞬で凍りついた。