「……西に殺されたって……。ちょっと待って。ぜんぜん意味が分からないんだけど」

正人を含めたみんなが同じ顔で眉間にシワを寄せていた。


当たり前だ。

目の前で見た俺でさえ、意味が分かってないのに。


とりあえず俺たちは放送室でなにが起きたのか分かる範囲で説明した。

田上が天井から降りてきた人に拐(さら)われたこと。

江口が西に突然刺されたこと。

説明しながらも、俺の足の震えは止まることがなかった。


「つ、つまり西は誰かに操られて江口を殺したってことか?」

西と仲の良かった橋元が口を開く。


確かに西は動きも不安定で、自分の意志で動いている感じじゃなかった。でも問題はそこじゃなくて……。


「西はすでに死んでたの。両目をくりぬかれて青い顔をしてね」

また日野沢が淡々とした口調で返した。

その姿を想像してしまったのか涙目になりながら橋元が口を押さえる。