はじまりのアリス



「諏訪野……」

先頭を歩く諏訪野に声をかけようとした時、後ろから誰かに口を塞がれた。

慌てて振り返ると、そこにいたのは日野沢。


「なんで……」

「しーー。大声を出しちゃダメだよ。どこで誰が見てるか分からないんだから」


日野沢はどうやら俺たちを追いかけてきたらしい。

この暗闇の廊下をひとりで歩いてくる勇気があるなんて、度胸があるというか、怖いもの知らずっていうか……。


「なんで来たんだよ。女子は教室で待ってたほうがいいって」

「だって私も見たいもん。犯人がどんな顔をしてるのか」


月明かりに照らされた日野沢の顔は笑っていて。

そういえばコイツってホラーゲームとかオカルト話が好きだったっけ。


性格や趣味は真逆なのに美織とは友達だし。

容姿とスタイルはモデル並みにいいから、正人も密かに片思いしてるけど……。


「とりあえず前には出るなよ。俺の後ろに隠れてろ」

「はーい」

軽い返事にイラッとしたけど、日野沢になにかあったら俺が正人に殺される。