――と、その時。
ザザザーと教室のスピーカーから音がした。
『皆さんこんばんは。アリスです』
その声は幼い子どものような声だった。
『色々と混乱してると思うから簡単に説明するね。これは貴方と私たちとのゲームよ』
……ゲーム?
『とっても簡単よ。〝本物のアリス〟を見つけることができたら貴方の勝ち。このゲームをすぐ終わりにするわ。でも私も楽しいことは長く続いてほしいから私にたどり着けないように沢山の仲間を用意する予定だから頑張ってね』
「おい!犯人はてめえか?」
スピーカーに向かって諏訪野が怒鳴る。
だけど、まるでその声は事前に用意されたみたいに、一方的に喋るだけ。
『死んじゃったらオモチャにするよ。これから何かあればこうして放送で呼びかけるわ。ちゃんと従ってね。じゃないと死んじゃうから』
「………」
『でもね、ずっと動いていたら疲れちゃうと思うの。だからその2年1組の中にいる間は誰も入ってこないし、誰も襲ってこないよ。やったね』
コイツは一体なにを言ってるんだ?
半分以上が理解できなかったけどひとつだけ。
こんな理不尽なゲームはすでに始まってしまってるということだ。
『食べ物は食堂にあるよ。だけど気をつけてね。食事中は誰もが無防備になっちゃうから。早く早く〝私〟を見つけてね。待ってるよ』
その言葉を最後にプツンと放送は切れた。



