美織の身体に体温はないはずなのに、まだ暖かい気がして。そのキレイな顔にそっと触れた。


――『潤……潤』

頭の中で美織の声が聞こえた気がした。

俺はそれに応えるように動かなくなった美織の手を強く握る。

 
「私の前でベタベタしないでっ!」

グサッと有栖川は美織の胸にナイフを突き刺した。


「ハア……大丈夫よ。潤」

興奮した有栖川が美織を乗り越えて俺の元へと来る。


「私がちゃんと愛してあげる。大丈夫。苦しくない。私の腕の中で私だけのモノになるだけ」


遠退いていく意識。

有栖川の笑った顔が今はぼんやりと見えるだけ。


「そしてまたリセットするの。貴方に愛されるために」

俺はそんな声と共に深い深い闇へと落ちた。


6回目のゲームは終わり、また次のゲームがはじまる。


復讐と歪んだ愛のために。