はじまりのアリス



「貴女は邪魔なの。潤の隣には私がいればいいのよ!」

有栖川は持っていたペティナイフで美織の身体を刺した。


「み、美織っ……!」

くそ、身体が麻痺して動かない。


「死んで!死んで!死ね!死ね!死ねええ!!」

有栖川はものすごい形相で美織を何度も何度も刺していく。


「……やめろ……もうやめてくれ……」

意識が朦朧とする中、俺は必死で美織に近づこうとした。


「あはは。やめろ?どうして?もうコイツは死んでるのよ?こうやって骨じゃなくて肉を切って、臓器もなにもかもぐちゃぐちゃにするの。そしたらほら、もう動かない」

美織の血が俺のいる場所まで流れてきた。


悔しくて、悔しくて。

俺はやっとの思いで美織までたどり着いて、その身体を抱きしめた。


「平気よ。壊れただけ。痛みはオモチャだから感じない。喋ることもないし、あなたの言ってることも理解しない、本当にただの人形なの」