「深く深く愛し合いましょう?私は篠原くん……
ううん。潤さえいればいいの。ずっとずっとふたりきりの世界で仲良くいられればそれで……」
――と、その時。
俺の背後から手が伸びてきて、その手は俺に馬乗りになっている有栖川の身体を勢いよく押し倒した。
ビックリして振り向くと、それは黒いマントを着たままの美織。
表情もなく、じっと有栖川を見ているけれど、
その怒りは確かに俺へと伝わってきた。
「……邪魔しないでくれない?貴女はもう早川美織じゃない。早川美織の形をしたただのオモチャなんだから」
そんな有栖川の言葉にも動じずに美織はまるで俺を守るように前に出た。
「なに?オモチャのくせに私に逆らうの?」
「………」
美織は喋らない。
もう命は奪われ、感情も表情もなくしてしまったけど、それは有栖川に最後まで抵抗しようとする美織の強さ。



