「早川さんを見る目。特別で、守りたくて、触れたい、触れてほしいっていう目。もう叶わない願いを追うのは疲れてしまったの。だからベランダから落ちて私は生まれ変わることにした」
「生まれ……変わる?」
「ううん、早川美織になることにした。貴方に愛されるために、ね?」
俺のずっと隣にいた有栖川。
あの繋いだ手も強く抱きしめた身体も何度もキスをしたあの唇もすべて有栖川華子……だった?
急に胸焼けがしてきて、吐きそうなほど気持ち悪い。
「どうしてそんな顔をするの?篠原くんがずっと守りたいと思っていたのは私なのよ?」
耳元で囁かれる声に俺は顔を背けた。
「なんで……なんで俺にそこまで……?」
有栖川はただの同級生でただのクラスメイト。
友達と呼べるほど長く話したことはないし、たまたま委員会を一緒にやったぐらいの関係だった。
それなのに……。



