はじまりのアリス



ハッと後ろを振り返る暇もなく、首筋にチクリとなにかを刺された。


「さあ、早くそいつを殺して。貴方の愛する人は私でしょう?」


首を押さえながら顔を上げると、そこにいたのは美織の姿をした有栖川華子。


なにが……なにがどうなってるんだ?

理解できない状況の中、頭だけがひどくボーッとしていた。


「ああ、ごめんなさい。麻酔針を打ったの」

有栖川の手には小さな注射器。


「ずっと俺を騙してたのか……っ?」


美織が有栖川?

じゃあ、このゲームが始まってずっと隣にいたのは……。


「騙してない。私は早川美織なの」

「は?なに言って……」


ダメだ。

どんどん頭がクラクラとしてくる。