はじまりのアリス



……もう終わりだ。

正人はそんな顔しながら青ざめていた。

そんな中、日野沢だけがまだ強い目をしていて、その視線はなぜかアリスではなく俺へ。


「……潤!色々意地悪なことばっかりしてごめん」

そう叫ぶ日野沢の目にはキラリと光る涙が。


「このゲームはね、潤のために……ううん。有栖川が自分自身の為だけにやってるゲームなの!」

日野沢が喋るたびにナイフが次々と突き刺さっていって、ついにはグハッと口から大量の血。

それでも日野沢はまっすぐに俺を見ている。


「だから絶対にそんなヤツの思惑にハマっちゃダメ。いい?ちゃんと聞いて。有栖川はね、有栖川の正体はね……」

「もう黙りなさい」

アリスが日野沢の顔を目掛けてハサミを振り下ろした。



「……っ。有栖川は……有栖川は……!」

日野沢が次の言葉を言おうとした時。


俺の背後から何かが飛んできた。

それは火のついたライター。

その炎が家庭科室の空気に触れると一瞬でボワッ!とガスに引火して大きな爆発音と共に天井まで火があがった。