「なんとなくそうなんじゃねーかって思ってた。野生の勘ってやつ?そういうの俺にあるかわかんねーけど……」

諏訪野の声が次第に小さくなった。


「諏訪野!おい諏訪野っ!!」

血が止まらない。

諏訪野の身体がどんどん冷たくなっていく。


……くそ!ダメだ。

死なせない。

もう誰も死なせたくない……!


「篠原……」

「いいからもう喋るなっ」

俺は着ていた上着を諏訪野にかけて、もう血が流れてこないように手で上から押さえた。


それでも血は俺の洋服さえ真っ赤にしてしまう。


「これ、お前にやる」

諏訪野が力を振り絞ってポケットから出したのはいつも持っていたサバイバルナイフ。


「これで必ずアイツを……必ず有栖川を見つけて、このゲームを終わらせてくれ……頼んだ……ぞ」

俺にサバイバルナイフを握らせると、諏訪野は静かに目を閉じた。


「諏訪野?おい、諏訪野……諏訪野っ!!」

俺が必死で身体を強く揺さぶっても、もう諏訪野は目覚めない。


「潤、お水持ってきた……す、諏訪野……くん?」

帰ってきた美織がその場に立ち尽くす。


「……っ、うわあああ……!!」


俺は絶叫しながら泣いた。