はじまりのアリス



2年1組に着いた俺たちはふたつあるドアを閉めて鍵をかけた。


電気は付かなかったけど月の明かりが教室を照らしていて、みんなの顔がはっきりと見えるようになった。


ここにいるのは15人。

男子は寺田、橋元、鈴木、江口、田上、諏訪野、正人、俺の8人。

女子は美織、笹谷、渡辺、古澤、横田、川島、今村の7人。


クラスメイトは全員で29人いた。

と、いうことはさっきので約半分の14人が死んだことになる。

……いや、最初に校舎に引きずり込まれた西は行方不明だから、それを除いても13人。


本当にみんなは死んだのか?

そんなに簡単に人って死んでもいいのか?


「ねえ!みんな見て!」

突然、美織が窓の外を指さした。


2階のこの教室からは校門が見えて、さっきの場所を見下ろすと……あるはずのものがない。


「……なんで……」


そう、ないのだ。

さっき死んだはずのクラスメイトたちの亡骸が。


みんなバタバタと重なるように倒れていたのに、校門は血の海が残っているだけで、そこにはないもない。


背筋がゾワッとした。