……くそ、くそ、くそ!
自分の弱さと無害なさに頭にくる。
正人が襲われた時、俺は一瞬足がすくんで動けなかった。
諏訪野にだって……あんな数を相手にできるわけないって分かってるのに置いていくしかない。
本当に俺は無力だ……っ。
「……潤。大丈夫だよ。私がいる。だから落ち着いて。きっとみんな大丈夫だから」
美織のその笑顔に少しだけ冷静さを取り戻した。
そうだよな。
ネガティブなことばかりを考えていても仕方がない。
今俺がしなきゃいけないことはひとつだけ。
「ね、ねえ、あそこに誰かいるよ……」
美織の言葉に俺はハッと美術室を見た。
美術室は廊下の一番突き当たりにあって、少し屈折している作りになっているから、ここから窓越しに中の様子が見える。
そこには黒いフードを被って立ち尽くす人影。
間違いない。あいつだ……!



