やっと有栖川にたどり着ける。
これでやっとこの状況から……。
「あ、でもね?今回は私もゲームに参加するわ。もちろん貴方たちをいっぱい苦しめてあげる」
アリスはニヤリと微笑んで、人差し指を俺たちに向けた。
そして指先をくるりと回す動作をすると、暗闇の廊下から色々な音が聞こえてきた。
スタスタ……と歩く音がしたと思えば、なにかを引きずるような音。そしてゴロゴロと転がるような音まで。
な、なんだ……?
その奇妙な音たちの正体が月明かりに照らされる。
「……っ!」
思わず後退りをした。
それはオモチャにされたクラスメイトたち。
しかも今までと違うのは〝人〟ではなくバラバラになった大量の部位が動いていた。
廊下を這う胴体。変色した手足。
腐りかけている生首。
死臭を漂わせて、それは俺たちに向かってくる。