はじまりのアリス



スマホが壊れたって可能性もある。

電波も圏外で外部との連絡は不可能。


……時間が進んでない?

そんなこと、誰かが意図的にやるなんてムリだ。


そもそもクラスメイトたちが殺されたのだって、周りには人影もなかったし、手を加えずにあんなことができるわけがない。


犯人は〝人〟ではないのかもしれない。

そんな恐ろしい考えが頭を過ったのはなぜだろう。


それに発狂してもおかしくない状況で、残っているクラスメイトたちは恐怖を感じてるものの〝現実〟として受け入れはじめていて。

この物分かりのいい考えに違和感を感じた。


だけどもっと違和感なのは、

俺も受け入れはじめているひとりだってこと。

そして、暗闇の乗降口から校舎の奥へと歩き進めてしまっていること。


諏訪野を先頭にその足は自然と2年1組へ。

俺は美織に腕を組まれながら一番後ろを歩いて、自分の中にある違和感と戦っていた。