きみの声を聞かせて




「俺、昨日のこと悪かったなんて全然思ってないから……



そんな顔をしてたって謝るつもりはない。



ただ、俺はなんとなく分かる。



あんたは本気でバスケをやれば絶対に周りを魅せるようなプレーをする気がする」



名前も分からないその彼はそれだけ言うと、わたしの前から姿を消した。



昨日と今日合わせて3回も会ったのにまだ名前すら分からない人。



昨日はあんな酷いことを吐いて、



今日はきっぱりと昨日のことは謝らないと吐いた。



でもそれと引き換えに“あんたは本気でバスケをやれば絶対に周りを魅せるようなプレーをする気がする”ってぶっきらぼうだけど



今の弱くなった自分に力強いパワーをくれたようなそんな気がした。