きみの声を聞かせて




わたしは開いてる体育館のドアから目立たないように少しだけ顔を覗かせた。



手前が女バスで奥が男バスだから渚くんがどこにいるのか分からない。



たった一ヶ月バスケをしてないだけなのに、もう随分バスケをやってなかった感覚がするのは気のせいかな。



……バスケをやってる人たちはわたしの目の前でレイアップのシュートを列になって連続してるのにすごくそれが遠くに感じる。



片足で踏み込んで、その助走で飛んで、ゴールに向かってボールを放つ。



あーやって楽しくバスケをしていたのは中学生までだったかな。



しばらく渚くんを探す傍ら、バスケを眺めていると



キュッキュッとなぜかこっちに向かって走ってくる音が聞こえてくると思ったら一人の女の子が出てきた。



「あーっ!もしかしてあなた噂の小林夏帆さん?」



その人はわたしのことを指差してびっくりしている。