きみの声を聞かせて




自分の机の中から新しい生物の教科書を取り出すと



レポート用紙と筆箱と一緒に抱えて走り出す。



そして廊下を通って、階段を駆け上がって生物室の表札を見つけると息切れのまま飛び込んだ。



その瞬間、キーンコーンカーンコーンと授業の始まりを表すチャイムが鳴り出して



みんなはすでに実験の準備をしていて、それぞれ顕微鏡を出したり、実験用具を揃えているので上手くその場に入れた。



ま、間に合った。



「夏帆ちゃんこっちこっち!」



手首をヒラヒラと動かしながらわたしを呼ぶ渚くん。



良かった、わたし渚くんと同じグループだったんだ。



わたしが渚くんの近くまで行くと、渚くんは目の前の椅子を指差してそこが夏帆ちゃんのとこだよと教えてくれた。