きみの声を聞かせて




片手にボールを持ちながら歩いてくる渚くんはこんなところで何してるの?と



翔矢くんに電話を繋いだまま聞いてくる。



わたしはフルフルと首を横に振ろうとしたけど……やめた。



渚くんに迷惑がかかると思ったけど、翔矢くんがわたしを焦って探してるのを知っちゃった時点でもう何かあったことは分かってる訳だし



持っていたスマホにわたしはこう書いたんだ。



((みんなと同じように話せないのが限界で、嫌になっちゃった!))



とできるだけ笑顔を作ってスマホを見せた。



「泣いてたのに、今だけそんな笑顔を作ったって辛いだけでしょ。



辛いなら辛いって言えなくても、俺たちにぶつけてきていいんだよ。



翔矢、俺と夏帆ちゃん運動公園の近くの土手にいるから来て。じゃあね!」



渚くんはそう言うと翔矢くんの返事を聞かずに電話を切っていた。