きみの声を聞かせて




「きゃーっ!想像通りすっごく似合ってる!」



「可愛すぎる!これは絶対文化祭でモテるね!」



「こんなに着こなしてもらえると思わなくてびっくり!」



とそれぞれ褒めちぎってくれるのに対して、わたしはただ“ありがとう”と口を動かして伝えることしかできない。



「夏帆ちゃーん!俺たちにも見せてよー!



衣装グループだけずるいじゃーーん!」



とドンドントイレのドアを叩いて頼んでくる渚くん。



「「だーーめーー!」」



「これは衣装グループの特権だから。



当日までのお楽しみ!」



『ちぇーっ!』と言う渚くんの声に何だか表情まで想像できる。



そして翔矢くんが『さっき一瞬見えたんだから、あとは当日に取っておけばいいだろ』と宥めている。



そんな中、わたしは衣装グループの一人に



「急いで夏帆ちゃん着替えちゃって!」



と言われて頷くと、個室に入ってすぐに制服に着替えた。