七月上旬。


この地方はまだ涼しい季節。




「ねぇ夏帆、いいの?」




放課後の教室から出ようとした時、隣を歩いていた美希が、聞いてきた。





「なにが?」






「…翔のこと…」






翔。




この名前を呼ばなくなってから、もう1ヶ月も経つんだなぁ…





「うん!翔が秋月さんと本当に付き合ってるって知ってから、気にならなくなってさ!それに…」






「それに?」