引っ越しの荷物を運び、ひと段落した所で、アコギのハードケースを開けた。 俺の唯一の趣味。 アコギを弾くこと。 このギターは俺の両親が、中学の時に買ってくれた物。 そんなアコギで俺はいつものように、色々弾いていた。 その時。 「あの…あたし隣の家の吉井夏帆です!お母さんに言われて手伝いに来たんだけど…」 ドアの向こうから聞こえた声。 隣の家? はぁ… どうせ親がいないって知ったら、かわいそうとか変な目で見てくるんだろ?