その時。 黒髪女にボールがまわってきた。 いける…! 「いけぇー!夏帆!」 隣で翔が思いっきり叫んだ。 でもこの状況じゃ、聞こえてねぇだろ。 「…入る」 大丈夫。 いけ! そして黒髪女は見事にシュートを決めた。 しかもスリーポイント。 やればできるじゃねぇか。 「夏帆がんばったな。昔は運動音痴で何も出来なかったのにな」 昔の事を言われると、なんかムカつく。 俺の知らないあいつを、翔は知っている。