「それじゃあ行こうか」

ニッコリ笑って私の手をとる。

イケメンな所は変わってないのねw

その日はカナちゃんのことも考えることなく

1日を楽しんだ。

昔の懐かしい話をしたり、

お互いの近況を話したり。

思ったよりリラックスして過ごせた。

「今日は付き合ってくれてありがとう」

「ううん、私も楽しかったよ!また何かあったらすぐ呼んでね!」

「……狐舞はさ、1人でその子育てんの?」

「え、うん。もう1人で育てるって決めたしね!」

「もし…もしさ、困った時は俺にすぐいえよ?力になれることあればすぐ行く」

真剣な顔がちょっとおかしくて吹き出してしまう。

「ふふ、男前になったのね?」

「前から男前だわw」

「お気遣いありがとうございます。困った時は連絡するね?」

「おう、じゃあ…またな」

「うん、またね!」

ドアを閉める直前にいった一言を私は知るはずもない。

「本当は、父親になれたら一番いいんだけどな」



部屋に入るなり、お風呂に入ってすぐ寝る準備をした。

体は大切にしなきゃいけないものね。

この子がいるから。

私が健康じゃなきゃ、この子も健康に育たないもの。

「元気に生まれてきてね?」

日に日に溢れる愛しさ。

きっとお母さんも私をこういう風に愛してくれてたんだね。

親になって初めて知る親の気持ち。

感謝の気持ちしかないよ。

ありがとう、お母さん。

これからも迷惑かけちゃうかもしれないけれど、

もう少し頼らせてもらうね。

「早く独り立ちして、この子を立派に育てなきゃ!」

いつかカナちゃんに真実を話す時、

胸を張って話せるように。

しっかりするのよ、私。

決意を固め、その日は早く寝た。