舞台の前につくと、スタスタと舞台に上がる月希。
「おーい、月希さーん?なんで俺を呼んだわけ?」
「まぁ、いいからそこで見てろ。いいな」
そういってマイクの前に立つ月希。
月希がマイクの前に立った途端、賑やかだった場内が静まり返った。
「あー、月希です。父を継いで今日、父と同じ道を歩むことになりました。それにあたり私の相棒、つまりは秘書を指名したいと思います」
秘書ねぇ……。
コイツの秘書とか可哀想にww
絶対に面倒事増やすやつだわw
ご愁傷様です。
「私の秘書を、この虎牙 狩那緋に任命致します」
あー、可哀想に虎牙 狩那緋くん。
こんな自由奔放な奴に…虎牙 狩那緋?
え、俺じゃないよね?
うんうん、なにかの聞き間違え。
うん、そうだよな。
「おい、狩那緋。何してるんだ?早くこっちに来い」
周りを見渡して、自分を指さすと、月希は頷いた。
………あぁ、仕事ってこれなわけね。
月希に一生こき使われろと。
うわー、拷問だわ。
この鬼畜が。
俺はため息を一つ吐いて、舞台にあがった。
もうどーにでもなれ…。
そう思っている内にことは進み、俺は舞台からおりた。
「どーいうつもりだよ…」
「元々決めてた。俺が信頼できるのお前だけ」
「それはわかってるけどよ…」
「もう遅い。お前は秘書に任命された。それも社長直々にな。よかったじゃないか、おめでとう」
「ドSが!」
「ふっ、何とでもいえばいい。一つだけ確かなことをいっておこう。秘書の給料は高いぞ」
「是非やらせて頂きます、社長様」
「よろしい」
くっ…仕方ない…。
ま、相手は月希だし問題ない。
オールオッケー。
「さて…と。それで、いつから仕事やりゃいいの?」
「明日」
「明日!?早いな!?」

