んー…なんか場違いな気がするw
とりあえず食事をして、シャンパンを飲んだ。
「風に当たろ…」
そう思い、窓をあけ、バルコニーに出た。
「夜風は気持ちいい…」
やっぱ堅苦しいの苦手だー…。
「あら、風に当たろうと来たのだけれど…先約がいたのね、ごめんなさい?」
そこには綺麗なドレスに身を包み、ニコッと笑う女性。
ハーフっぽい顔をしている。
たぶん19歳ぐらい?
「別に大丈夫だよ。君が一人になりたいなら出ていくけど」
「いえ、お気づかないなく。退屈しのぎにおしゃべりしましょう?」
「いいよ」
「まずは自己紹介ね。私フィール。よろしくね?」
「俺は狩那緋。よろしく」
別に仲良くしたくないけど。
「狩那緋って綺麗な顔してるわね」
「そう?それならフィールもハーフ顔で可愛いよ」
にぃの方が可愛いけど。
俺、にぃ以外に一切興味無いけどね。
月希の重要な取引先なら大変だし。
「そんな言葉で私は落ないわよ?」
「あはは、落とそうとか考えてないよ?」
イライラするなぁ。
俺キレそうだなぁ。
「私が一番に想う人は…私に興味がないもの…いつだってそう」
……へー、大体つかめた。
好きな奴がいるんだね。
ソイツのおかげでひねくれた性格になったわけだ。
「好きな人、いるんだね」
「ば、ばかなこといわないで!!いないわよ、そんな人!」
「図星なんだね」
「……知らないわ」
「意地っ張りな子」
「あ、いた。狩那緋」
月希がバルコニーに向かってきたときだった。
急にフィールが抱きついてきた。
「おっと。急にどうしたの?フィール?」
「……好きよ」
…はぁ、ったく……。
フィールの耳元に顔を近づけ、こう囁いた。
「そうやっても、月希は振り向いてくれないよ?」
そういった瞬間、フィールは勢い良く離れた。
ニコッと笑い、月希に顔を向ける。
「どうした?月希」
「あぁ、これからスピーチあるから、舞台の近くにいてほしいと思ってな」
「わかった。じゃあ、行こうか。フィールも中に入らなきゃ風邪ひくよ」
それだけいって中へ入る。
「お前、ほんとモテるな」
「………月希、気づいてないの?」
「何がだ?」
「はぁ……。鈍感か…」
フィールも苦労するな…。

