彼=浮気【完】



「そんな大物の息子と友達の俺もどうかと思うけどw」

どのチャンネルも世代交代で持ちきり。

ほんとに社長になるんだね。

「さてと。シャツ、アイロンかけとこ」

しばらく着てなかったからね。

シワシワじゃ、恥かくのは月希だし。

アイロンをすませて、洗濯もした。

今日は時間が余ってるし。

「もうお昼だ。時間の流れってこんなに早かったっけ?」

家事の大変さが身に染みるww

「昼食は…外でとろう。ついでに食料の買い出ししたいし。冷蔵庫に何も入ってないし」

財布を持って、近くのショッピングモールに向かった。

そこで軽く昼食をとって、色んな店舗をまわった。

「4時、か。よし、家帰って準備しよう」

そういえば、昨日の電話では流れ的に月希の会社で働け、って流れだと思うけど…。

今日のパーティーで発表するのかな?

まぁ、いいや。

家に入り、スーツに着替えた。

「えーっと、鍵持った、財布を持った、携帯持った…これぐらいだな」

忘れ物はないか確認して、車に乗った。

まだ少し時間あるし、花束でも持っていこう。

家の近くの花屋の前に車を止めた。

「あ、いらっしゃいませー!」

「すみません、その花束ひとつ」

目の前にあった一番大きく、綺麗な花束を指さした。

「かしこまりましたー!お祝いかなにかですか?」

「親友のおめでたい日なんだ」

「そうなんですか!はい、どうぞ!」

「ありがとう」

お金をおいて、車に乗る。

パーティー会場向けに車を走らせる。

会場に近づくにつれ、街中では見慣れない外国車がちらほら。

さすが金持ち。

駐車場に車を止め、ホテルの入口に行くと、ガードマンらしき人がいた。

「招待状はありますか?」

え、招待状いるの?聞いてないんだけど…w

「招待状は貰ってないです」

「なら通せません。部外者の方はお控え下さい」

「いや、でも…」

「ソイツ入れないと、お前らクビ」

声がした方を見ると、ドアにもたれる月希の姿。

「る、月希様!!」

「な、な、なぜ部外者を!?」

「部外者じゃねーよ。俺の親友。俺が招待した。なにか文句?」

鋭い目でガードマン二人を睨む月希。

「「い、いえっっっ!!!!」」

「ならいいよね。入れよ、狩那緋」

そういうと背を向けてホテルに入っていった。

ほんと冷たい奴w

ホテルに入ると、入口近くで月希が待っていた。

「ようこそ、俺の社長就任パーティーへ」

「派手なパーティーww あ、はい花束。おめでとうございます、社長?」

「社長じゃなくて月希でいいし。てか、わざとやってるだろ」

「まぁまぁww んで?何で俺を呼んだわけ?」

「その内わかる」

「あえて教えないわけねw」

「俺は面倒くさい挨拶まわりとかしてくる。そこらの食事、飲み物は自由に飲み食いしていいから」

それだけいうと、スタスタ歩いていった。