その時だった。
今まで感じたことのない吐き気がした。
急いでトイレへと駆け込んだ。
「うっ…!!」
私は我慢できずにトイレに吐いてしまった。
コンコン
「ニコ!?大丈夫!?急いでトイレに入ったけど……」
「大丈夫……」
私は鍵を開けながらいった。
「ニコ、顔色悪いよ?今日はもう帰ろう!」
「え、でも合コン……」
「合コンなんかどーでもいい!大切なのはニコの体でしょ!!」
そういわれて、カラオケを出た。
近くでタクシーをひろい、乗った。
「すみません、○○ってところまで送ってほしいんですけど、そこの近くにあるドラッグストアーよってもらえます?」
「あぁ、いいですよ」
ドラッグストアー?
あぁ、吐き気止めとかか…。
感謝しなきゃな。
少し走らせると、ドラッグストアーについた。
「ニコ、キツイだろうけど行こ?」
「うん」
私はゆっくり車から降り、店に入った。
薬の棚を過ぎ、他の棚へ向かう静歩。
「あれ、吐き気止め、過ぎたよ?」
「……ついてきて」
大人しくついていくと、ある棚で止まった。
「これ、買おう」
「え……?妊娠検査薬……?」
渡されたものを見つめる私。
「ニコ、したことあるよね?しかも……彼氏が酔ってる時に」
そう。
一度だけ体を重ねたあの日は、
ひどくカナちゃんは酔っていた。
仕事でうまくいってないのか、イライラして帰ってきた。
何をいっても喧嘩腰。

