「それで、あなたは?」
「あ、私は狩那緋の」
「彼女さんですよね?」
相手の口から聞きたくなくて、先に私がいった。
「え、違う違うw 私は新廼 智香(ニイノ チカ)!狩那緋の元浮気相手です!」
「……元?」
「そそ!昨日ね、狩那緋に呼ばれたの!それで家に行ったらカレンダーにあなたの名前と記念日が書いてあってね?」
「あ、確か書きました…。すみません…」
「いや、謝らなくていいわよw それで私、狩那緋に問い詰めたの。彼女いるの?ってね。知らなかったのよ、彼女がいるなんて」
「え!?そうなんですか!?」
「ええ。でも不思議と悲しくなかったの。本気ではなかったもの。ただ、元カレを忘れたかった。最低でしょ?」
「いや、そんなことは……」
「……自殺だったの」
「え?」
「私、今の狩那緋みたいに浮気性でさ?元カレはすごく怒ってて。理由を話そうとしたら…亡くなったの。彼も苦しんでたの。今の虹恋ちゃんみたいにね」
「そう…なんですか………」
「だから許せなくて手を切ったの。ごめんなさい。私が浮気相手なんかなっちゃったから苦しませたわ」
そういって頭を下げてきた。
「いや、私は大丈夫ですから!それに、知らなかったなら仕方ないです!カナちゃん、悪い人ではないんですけどね…」
そういって苦笑いした。
カナちゃんが悪い人ではないことは確か。
「優しいのね、虹恋ちゃんは」
「そうですか?」
「ふふ、気に入っちゃった♪番号交換しない?」
「え!?」
「友達になりたいの♪嫌なら断って?」
「嫌じゃないです!」
思わず立ってしまった。
「ふふ、面白い子♪じゃ、これ番号とアドレスね!今はただの相談相手だから、安心してね?」
「いや、もう別れてるので…」
「でも、いつかやり直す日が来るわ。だって…私にはわかるもの♪」
「わかる?」
「ちゃんとまだ、繋がってるって」
「……そんなことないです」
「ま、その内わかるわ♪さて、狩那緋に連絡するわね!」
「あ、はい!」

