姫恋華〜ひめれんげ〜【改稿版】

「きゃあっ」

「あほ、声出すな!」

 近くの植込みから、女子二人の声。

 顔を見合わせた新之助と久賀。

 がさっと植木を掻き分ければ、そこには見知った顔が並んでいた。

「ゆらさん……?どうして……」

 固まるそれぞれの顔を稲妻の青白い光が浮かび上がらせる。

 唖然として見つめ合う、新之助とゆら。そして仏頂面の宗明。

 ふんふんと楽しそうに髭をぴくぴくさせているキジトラの猫。

 そこに久賀の呑気な声が場違いに投下された。

「うっひょ~。稀に見る可愛い子ちゃん、発見!」


 間を置かず、黙れと言わんばかりの拳が、久賀の鳩尾(みぞおち)に沈んだのは言うまでもない。