【千花】

そして、日曜日。

「千花!お誕生日おめでとう!」

部屋の中に、クラッカーの音が鳴り響く。

「ありがとう!」

そう言い、ロウソクの火を吹き消す。

「千花ちゃんも、これで十七歳だね」

「うん」

「はいこれ」と、秋人君からプレゼントを渡される。

「じゃぁ、俺からも」

「私達からも」

紅城君に続き、夢と音葉からお揃いのキーホルダーを貰った。

「可愛い!ありがとう」

「いいって」

「瞬介は?」

「え?」

瞬介君は、一人で窓の外を見ていた。

「プレゼントだよ、プレゼント!」

「あぁ、買ったけど置いてきた」

ズコー!

皆その場に倒れる。

「ちょっと待ってよ瞬介!前に一緒に誕生日プレゼント選びに行った意味無いじゃん!」

「そうだぞ!よりによって今日「分かったよ!明日渡すから」」

紅城の言葉を遮った。